2012年04月16日

ソニーを蝕む陰湿リストラ〜禁じ手の「産業医」まで動員

四月一日付で平井一夫副社長の社長兼CEO(最高経営責任者)への昇格が決まったソニー。社内の一部からは、「これで製造部門の大規模リストラが決まったようなもの」と諦めの声が伝わってくる。

 近年のソニーの目を覆うばかりの凋落ぶりに対しては、ソフトウエア、ネットワークビジネスへの傾注を強めたハワード・ストリンガー氏の経営路線を元凶とする見方がいまや「定説」となっている。そうした"ものづくり軽視路線"を、ストリンガー氏の右腕として推進した首謀者たる平井氏に対する、社内技術陣の「敵意」は尋常ではない。社内の技術を軽視し、開発体制を散々に弱体化させた末の切り捨て。その平井氏の今回のトップ就任を受けて、社内では次なる大規模リストラがもはや「既定路線」との見方が広がっているのも無理はない。事実、平井氏昇格が囁かれ始めた昨年後半から、ソニー社内ではリストラに向けた「地ならし」に拍車がかかっているというのだ。それも、産業医という「最終兵器」まで動員しての、極めて陰湿化したものだというから、驚きだ。

●表と裏のリストラを使い分ける
 ソニーは二〇〇〇年代に入って頻繁に早期退職募集を実施している。構造改革に着手した〇三年の早期退職を皮切りに、リーマンショック後の〇九年春には約九百人、一〇年秋の早期退職募集では四十から五十四歳に最大加算金五十四カ月分という好条件を提示し、約四百人の社員がリストラされた。

 ここまでの話であれば、さして驚くものではない。しかしソニーでは、世間に知られない形で、いまも日常的にリストラを断行し続けているというのだ。早期退職優遇制度を発令した人員削減が表のリストラとするならば、これはいわば裏のリストラだ。

 ソニーの人事部のもとには、各部署で不要人材との評価を下された社員のリストが集まってくる。戦力にならないローパフォーマーや精神的・肉体的な問題を抱える社員、つまりは各部署の厄介者扱いの社員たち―こうした人物は、常時数百人規模に達するという。それらの社員が送り込まれるのが人事部直轄の「キャリア開発室」、社内の「リストラ部屋」だ。彼らには、「SK」「HS」「SYK」「SYS」「SYT」「TS」との英字の略語がつけられる。「SK=再教育候補」「HS=秘書庶務候補」「SYK=社内休職」「SYS=社外出向候補」「SYT=職種転換候補」「TS=単純作業」という意味である。ランクは違えど、全てリストラ対象者である。

 キャリア開発室での仕事は主に以下の三つに集約される。1、社内・社外の仕事を自分で見つけること。2、自己啓発(スキルアップ)に励むこと。3、空いている時間は他の部署を応援すること。

 部下をキャリア開発室に送り込んだある管理職は、実態をこう語る。「1は"早く辞めてよ"、2は"給料もらって遊ぶのか"と同義語。1と2は退職準備と見られるため、率先してやる人はいません。ほとんどが3に群がりますが、これは社内に蓄積したデータ類をひたすらPDF化する仕事、アルバイトがやる単純作業です」。

 キャリア開発室の「定員」は業績に沿った事業計画に応じて増減するが、一一年は年を通じて平均二百人ほどだった。だが不景気の煽りで居座りが増えてきた昨今、いくら実態がリストラ部屋だといっても、収容には限界がある。「キャリア開発室は、リストラ対象者を素早く処理するための"一時預かり所"であり、居座る対象者を早く追い出さない限り、定員であふれる。常に新しい人材を受け入れる余地を作っておかなければならず、会社側からのプレッシャーもきつい」
posted by РМН at 00:00| Comment(0) | 某掲示板より転載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人気ブログランキングへ