その韓国のメディア関係者がこの期に及んで「日本と北朝鮮は似ている(笑)」とこれまた唐突すぎる「追加燃料」を投下した!
発言の主は韓国大手メディア関係者キム・ドボン氏(仮名)。日本への留学経験があり、北朝鮮には取材活動で過去に4回、入国したという。現在も日本に駐在しながらメディア活動を続けている知日家だ。
「日本は二つの世代軸で北朝鮮と瓜二つです。一つ目は昭和から続くムラ社会的な風潮。二つ目は戦前〜第二次世界大戦時の滅私奉公的な風潮です。輿那覇潤氏の著書『中国化する日本』でも同じ内容が指摘されていますよね。輿那覇氏の言葉を借りれば、世界が中国化していく中、日本がそれに対抗するには昭和期のムラ社会的制度を復活させ『再江戸時代化』しなければならないが、もしそれを何が何でも推し進めるのであれば、すなわち北朝鮮的な社会ということになる。北朝鮮も前時代的なまま、建国から今日まで来てしまった国家ですから」
「世界の中国化」について同書では近世の社会モデルは宋王朝に確立され、現在の世界はその拡大にすぎないとしている。
10世紀、経済や社会を徹底的に自由化する代わりに、政治秩序は一極支配によって維持する仕組みを確立した宋朝。それは西欧文化に先駆けて行われたものだった。
一方日本は19世紀末まで封建制度、昭和期の終身雇用制度にちなむ会社ごとのムラ制度が色濃く残っていた。それが江戸時代に見られた社会主義的な要素と似ているらしい。
「今でもあると思います。同書ではいろいろ解説されていますが、個人的には、政治への反応。小泉改革から政権交代を経て現在に及ぶまで国民の負担は増す一方だというのに民衆が黙って従っているのはなぜなのか。
もちろん不満はあるでしょうけど、民意が反映されないことにすっかり慣れている感があるのは北朝鮮と似ていますね。あと日本のネチズンの書き込みも北朝鮮の論調とそっくり(笑)。個人崇拝というところの天皇崇拝、核武装必要論、排外主義など合わせ鏡のようですね」
ほかにも、さらに噛み砕いた目線で「社会主義っぽさ」を指摘するキム氏。
「日本独特の『空気を読む文化』というのは、典型的。誰か一人が逸脱するのが許されず、けん制しあって、『無難』を目指す。ブラック企業に心身崩壊するまで我慢して勤めたりするのも、巷で噂されている炭鉱労働と変わらない。また、女性のファッションや化粧が全部同じで、自己主張に乏しく目が死んでいる。女性雑誌が『女子力』『愛され女子』などといった、落しどころがよくわからない曖昧なスローガンを浸透させてその達成に邁進させられる姿は、北朝鮮が『勝利』とか『無慈悲に粉砕』などと言って国民を焚きつけている姿と被ります。ヤンキーという人たちも、示し合わせたかのように同じ格好で軍隊のよう。先日のオリンピックに至っては、メダリストのコメントが判を押したように『皆さんのおかげ』とか、まるで言わされているみたい。『将軍様のおかげ』と同じように聞こえます」
と、日本国民にとってはまったくの心外かもしれないが言いたい放題である。
突如勃発した「竹島紛争」の中ですっかり影が薄くなっていた北朝鮮だが、ここで引き合いに出されるとは……あらゆる方向から矢を向けられそうな論調である。
キム氏自身は竹島問題については「韓国国内に対するアピールの意味合いが大きい」として静観している。
とかく、隣国との揉め事はなるべく避けたいところであるが……