中国がもっとも嫌う男 前原を入閣させる野田首相の狂気
<識者ものけぞる挑発人事>
細野豪志・原発担当相が政調会長に回ったことで、ガ然、注目を集めているのが前原誠司政調会長(50)の行き先だ。財務相や経産相への起用が取り沙汰されているが、ちょっと待って欲しい。前原といえば、単細胞を絵に描いたようなタカ派で、その言動が多くの波紋を広げてきた。中国政府が最も嫌う政治家のひとりである。尖閣国有化で日中関係は一触即発なのに、ここで前原を閣僚に起用すれば、中国の怒りの炎に油を注ぐ。野田は本気で中国と戦争を始める気なのか。前原だけは絶対にダメだ。
中国での前原の嫌われようはハンパじゃない。2年前に中国漁船衝突事故が勃発した当時、菅内閣の外相だった前原に、中国メディアは「中日関係改善の障害物」「トラブルメーカー」と痛烈な批判を浴びせ続けた。
中国系香港紙の「文匯報」は〈日本政府は外相を更迭しなければ、中日関係の回復は難しい〉と社説に書き、中国の国際紙「環球時報」は〈青二才の暴れん坊には外交はまだ早い〉とコキ下ろした。極め付きが、人気週刊誌「環球人物」で、日の丸のハチマキを締めた前原の“能面ヅラ”が表紙を飾り、〈気が狂った反中の首謀者〉と見出しをつけられた。
「いずれのメディアも、中国共産党の影響下にある。前原氏をクソミソに叩いたのは、党中央の意向を反映しているのです」(中国駐在員)
当時、前原は中国人船長の釈放後の中国政府の対応を「極めてヒステリック」と批判。ハノイの東アジアサミットで日中首脳会談がセットされても、「(会談は)焦らなくていい」と冷や水を浴びせた。これらの強気発言が中国側を刺激し、会談は土壇場でキャンセルに。せっかくの関係修復ムードはブチ壊された。
この傍若無人な振る舞いを中国政府は忘れていない。前原がどの閣僚ポストに就いても、中国側が一段と反発を強めるのは必至だ。それなのに野田は代表選で協力してくれた前原を厚遇する気だ。党幹部から外した以上、入閣は既定路線になってしまった。トチ狂っている野田は22日に米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに応じ、こう言った。
「中国が尖閣諸島をめぐり(日本に)挑発的な反応を示せば、外国人投資家は中国を敬遠する。すでに減速傾向の中国経済が、ますます悪化しかねない」
“牽制球”を投げて、イイ気になっているのである。こりゃあ、ダメだ。本当に前原起用となる。
元外務省情報局長で作家の孫崎享氏は「野田首相の現状認識はどうかしている」と、こう言った。
「減速傾向とはいえ、中国の巨大市場はまだまだ魅力です。その獲得競争で欧米企業としのぎを削る中、日本企業は領土問題で脱落しつつある。欧米の投資家が中国を敬遠するはずもなく、むしろ日本の脱落をシメシメと喜んでいますよ。さらに中国側が警戒する前原氏を入閣させれば、ますます国益を損なうことになる。本当に政治・外交センスを疑います」
野田が首相でいる限り、中国を怒らせるだけ。前原の大臣起用が、中国への決定打となりかねない。