若手:はい、先輩たちからそう教わってます。
中堅:でもあの時は所得税減税とセットだったから。野田さんは「ネット(正味の)増税」を成し遂げたわけで、歴史に残る名宰相と言っていい。
若手:たしかに相続税の課税対象を広げてもたかだか3000億円弱の増収で、消費税は1%で2.5兆円ですからね。ケタが違う。
幹部:安倍さんだって内心は野田さんに感謝しているはずなんだ。消費税を上げないと財政が破綻するのはわかっている。いちばんしんどいところを野田さんにクリアしてもらってから、政権を獲ったんだから。
若手:でも野田政権末期の支持率は20%以下で、安倍政権は70%。日本人ってやっぱりちょっとおかしいんじゃないですか?
中堅:お前、いまさら何を言ってんだ。支持率はみのもんたが騒げば下がる。政治的な正しさとはほとんど関連性がない。週刊現代も「これでいいノダ」とかバカにしてたし。
若手:しかし、アベノミクスで70%って、異常だと思うんですが。
幹部:株価が上がって円安になったからな。
若手:でも経済学的に怪しすぎます。金融緩和だけでデフレが解消されるなんて学問的根拠がない。
中堅:お前は日銀か。経済学的に怪しくても、株価が上がって国民が喜べばそれでいいんだよ。
幹部:その通り。高い支持率のもと、「決められる政治」を実現することがいちばん大切だ。
中堅:民主党政権は、消費税以外は本当にクソ内閣でしたからね。何一つ決められなかった。
若手:それにしても、金融緩和はいままでだってやってきたのに、なんで円は上がり続け、株は下がり続けたんですかね。
幹部:同じことをやるにしても、髪振り乱して「こんなに緩和してます!」と宣言するのと、「緩和はしていますが、財政ファイナンスと言われないように気をつけてます」と根暗につぶやくのでは、効果が全然違うってことだな。
若手:たしかに白川(方明・日銀前総裁)さんは暗かった。
中堅:暗いしアピールもヘタすぎ。そんな日銀を「悪役」に仕立て上げたのが、安倍さんの勝因でしたね。
幹部:そもそも、リフレ派(金融緩和でデフレを脱却すると主張)とデフレ派(金融緩和しすぎるとハイパーインフレを招くと主張)は、「金融が物価を決める」という同じ論理の右と左。経済学的な根拠はいずれも薄弱なんだから、どっちが正しいかは結果で判断するしかない、ということだ。
若手:つまり、いまのところは安倍さんが正しい。
幹部:その通り。景気が良くなるかもしれない、という気分を国民に植えつけることに成功した。まだ国民の一部だが。
日本の年寄りから
金を巻き上げるのは
許さん
なんか
ついに日本も
本当に終焉するような気がしてきた