<兜町は「風水がよくない」>
呪いか、それともただの偶然か? ジンクスを重要視する株式市場で「汐留」が話題になっている。
東京・港区の汐留地区は新橋駅にもほど近く、商業施設や企業の本社が入る高層ビルが立ち並ぶ。
「汐留にオフィスを持つ会社が、なぜか次々と業績不振に陥っているのです。パナソニックは2期連続で7000億円を超える赤字だし、全日空はボーイング787の事故の影響が懸念されます。そして資生堂は突然のトップ交代で、業績悪化が表面化した。汐留は風水が悪いのではないか。そう囁かれているのです」(兜町関係者)
風水を持ち出すあたりは、アノマリー(根拠のない理論)好きの兜町ならではだ。とはいえ、風水は昔から日本に根付いている。江戸城(皇居)は鬼門の方角に寛永寺(上野)があり、裏鬼門には増上寺(芝公園)が置かれた、とされる。店の入り口(玄関)に盛り塩をするのも風水に由来する。
「汐留の高層ビル群は東京湾の気の流れを乱したといわれます。風水的には『竜の通り道をふさいだ』となるらしい。それが相次ぐ凶事の原因でしょうか……」(前出の兜町関係者)
そういえば、数年前に女子アナの自殺が続いた日本テレビの本社も汐留だ。企業リスク研究所の白木大五郎代表が言う。
「風水的にどうなのかは分かりませんが、埋め立て地の汐留は大地震による液状化が心配です。そういう場所にオフィスを置くこと自体リスキーです」
株式アナリストの黒岩泰氏も指摘する。
「水を連想させる海や池、沼、汐などが地名につく地区は、もともと地盤がゆるい。企業の心臓部ともいうべき本社機能を置くべきではないでしょう」
もうひとつ、汐留には風水的に気になる事象があると市場関係者は言う。
「あるビルの外観です。ビルの一方が先のとがった刃物状になっています。風水では、その先にある建物は切られ、よくないことが起こるとされます。“刃物ビル”が切ったのは日本テレビと資生堂でした」
香港では80〜90年代にビルの形状や高さなどをめぐる銀行間の“風水戦争”が現実に起きている。風水を、たかが迷信と侮ってはいけない。
留めなんて
縁起でもない地名
だからやあ
汐吉にすれば
よかったのう