「365日24時間死ぬまで働け」「いますぐ、ここから飛び降りろ!」――。いずれも今年の「ブラック企業大賞」に輝いたワタミの創業者・渡辺美樹参議院議員の発言だが、ほかにも企業トップのヤバい発言がいくつもある。24日発売の「ブラック語録大全」(合同出版)には、法律無視を得意満面に語る経営者の数々の語録がまとめられている。
〈過労死を含めて、これは自己管理だと思います〉〈祝日もいっさいなくすべきです。労働基準監督署も不要です〉〈格差論は甘えです〉――。こんな持論を主張したのは、人材派遣会社「ザ・アール」の奥谷禮子社長。奥谷社長は内閣府規制改革会議委員など政府の諮問委員を歴任した人物だ。
ケ小平の格言になぞらえて、〈白い猫でも黒い猫でも利益を稼ぐのはいい猫だ〉と言い放ったのは、御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長。まるで労働者を犬猫扱いではないか。
“富士通の怪物”と呼ばれ、現在も相談役として同社に影響力を持つ秋草直之相談役は、「週刊東洋経済」(01年10月13日号)の取材で業績不振について聞かれ、〈くだらない質問だ。従業員が働かないからいけない〉と社員に責任転嫁した。
精密小型モーターの開発製造で世界一の日本電産の永守重信社長は08年4月の決算発表の場でこんな発言をした。
〈休みたいならやめればいい。社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる〉
スズキの鈴木修会長も〈土曜休んで日曜も休む奴は要らない〉と言っている。ま、永守社長も鈴木会長も自分が休日返上で働くタイプ。それで会社が成長したのだから、言ってることはわからないではないが、法律には週40時間労働と書かれている。
他にも〈結果的にはブラック企業が社会を豊かにする〉(ITベンチャー・ジーワンシステムの生島勘富社長)、〈業界ナンバーワンになるには違法行為が許される〉(クリスタル創業者の林純一氏)、〈労働基準法なんておかしい。今は24時間働かないといけない時代なのに〉(NOVAの猿橋望元社長)といった仰天語録のオンパレードだ。ちなみに、猿橋元社長はこの発言後の08年6月に業務上横領で逮捕され、クリスタルはとっくに消滅した。
「ブラック語録大全」の法律監修を担当した佐々木亮弁護士(ブラック企業被害対策弁護団代表)がこう言う。
「本に載せたブラック語録は経済誌や大手新聞などの出版物、ウェブサイトで経営者が臆面もなく語った表の情報です。彼らはそれが経営哲学だと信じ、熱く語っているのでしょうが、いずれも、法律無視の不当労働やパワハラを正当化するような発言ばかり。恥ずべき言動です。そんな経営者をきちんと検証せず、カリスマ経営者みたいに持ち上げたメディアにも責任があると思います」
若者を使い潰すブラック企業が社会を豊かにすることは絶対にない。法を顧みない悪質な企業はいずれ駆逐される運命にある。
「弱い者いじめで、悲しい」と抗議した。同日の軽自動車の新車発表会で発言した。
軽自動車に乗ってる人は弱いもので低所得者だって
【スズキ自動車】鈴木修会長兼社長語録さん 2013年8月29日 13時30分2秒
・土曜休んで日曜も休む奴は要らない。今の日本の悪い所はアメリカ的時間の切り売りが横行している事だ。8時間働けばそれでいいなど通用しない、成果で報酬がでるんだ。
・経営とは数字である。同じく仕事も数字である。人が動く、そしてものが動くと、数字は必ず動く。数字は結果であり、業績を表す。
・他人ではなく自分のコストを削れ
・他のせいにせず、足元から節約を考えろ
・不況だと臥せらずに、とにかく動け
軽自動車なんて贅沢
おいらは自転車生活
メンテも全て自分で
ただ雨が一番怖いw