また、放射性物質が集まって微粒子となったホットパーティクルが、福島だけでなく関東でも広範囲に降り、現在も地面に落ちてホットスポットの原因となっています。舞い上がったホットパーティクルを吸うと肺に留まり、内部被曝の原因になると言われています。
実際、2013年3月10日に関東で砂埃が舞い上がって空が黄色になる「煙霧」と呼ばれる現象が見られました。このときの砂ぼこりを測定したところ、何と4,362ベクレル/kgだったことがわかっています。
また現在、東京をはじめ各地で行われているがれきの焼却で、フィルターがそもそも放射性物質を取る設計になっていないため、約4割のセシウムが外に漏れ出しているという報告もあります。
大半の農産物、魚介類等の検査は「抽出検査」です。一昨年、厚生労働副大臣も「サンプリングですから、規制値を越えたものが全く流通していないと確信のできる状況では無い」とNHKの番組で発言しています。
ヨウ素、セシウム以外のストロンチウム、ウランなど他の放射性核種は、検査されていません。(昨年1月の太平洋岸の魚の調査で、ストロンチウム90は、セシウムに対して17%〜62%の比率で検出されています。)
東京電力は先月、福島第一原発の汚染水が2年間にわたって、地下水を通じて海に流出していたことを発表しました。流れ出た汚染水に含まれる放射性物質は、ストロンチウム90が約10兆ベクレル、セシウム137は20兆ベクレルに上ると試算されています。魚介類の汚染は、今後、拡大するおそれがあります。
「夏井川は、原発事故直後に避難指示の出た田村市などを通っています。阿武隈川水系ではイワナ、ヤマメから基準値超えのセシウムが検出されているため、同水系の全魚種休漁が打ち出されている。しかし、夏井川の漁協は全魚種の釣りを承認しています。そもそもウナギは、放流しないため、漁業権がない。趣味でやっている漁師がいっぱいいます。彼らも安全性に不安を持っていますから、地元では食べないし、小遣い稼ぎとして卸業者に流しています。それが天然モノを売り物にしている店や高級料亭に、千葉県産や利根川産、四万十川産として出回っている。」(ジャーナリスト吾妻博勝氏)