◆日韓がモメた結果、喜ぶのは米中朝3国
APEC首脳会議
10月のAPEC首脳会議で顔を揃えた安倍首相とパク・クネ大統領。2人の間には中国の習近平国家主席の姿も
韓国の反日行動の報道が多くなるにつれ、当然ながら日本人の嫌韓意識も高まっている。最近では過激なヘイトスピーチも話題になっているが、これに対して倉山氏は疑問を呈す。
「嫌韓を言うのはいいけど、韓国だけを目の敵にすることで得をするのは誰かをよくよく考えないといけません。まずはアメリカです。アメリカは日本がアジアに対して必要以上の影響力を持つことを喜ばず、日韓が結びつくことを阻止するのは世界戦略の一環です。仲が悪いままどちらも子分でいてくれるのが彼らにとって理想。だから竹島問題の解決など、アメリカはまったく望みません。
次に中国。彼らは北朝鮮は守りたいけれど、実は金一族は大嫌いなんです。ときどき韓国に接近するのは『朝鮮半島をまかせるのはお前とは限らんぞ』という金一族に対する牽制で、忠誠を誓うならば、韓国だろうが北朝鮮だろうがどちらでも構わない。韓国が半島を統一しても、日本に憎悪が向かっていれば好都合なのです。
そして、日本と韓国がモメて最も喜ぶのは北朝鮮です。日本にも韓国にも拉致被害者がいるので、本来なら彼らを取り戻すためにも手を組むべき。それなのに、ヘイトスピーチをしている連中が、拉致被害者をどうやって取り戻すのかについて、具体的な提言や行動をしたことがありますか? 重要なのは日本人自身が軍事的リアリズムを持つことです。『米中に言われても仕方ないけど韓国だけは許さん』という歪んだナショナリズムが一番恥ずかしい」
そのために大事なのは、「韓国は反日で当たり前だ」と思うことだという。
「間違っても好きになってもらおうとは思わないことです。自分たちのことを嫌っている相手に、いかに言い分を聞かせるかがリアリズムであり、外交の鉄則です。日本のように相手に言うことを聞いてもらうために仲良くしようなどという考えは、国際政治の場では大甘もいいところ。むしろ、徹頭徹尾こちらのほうが強いのだと思わせるべきなんです」
また、嫌韓ブームの裏側には日本の景気停滞の影響があるという。
「血相を変えなくても勝てる相手にオーバーコミットメントするということは、余力がなくなっているということです。高度経済成長時に韓国がいくら反日だろうと目くじら立てた人はいません。反韓・嫌韓で怪気炎を上げているのは、結局、日本人が自信を失っていることの裏返しなんです」
だからこそ、倉山氏はアベノミクスの行方を注視している。
「パク・クネ大統領が中国に媚びへつらっていても、安倍首相がそれを無視してアセアン諸国を歴訪できたのは、日本が自信と豊かさを取り戻しつつあるからです。だからこそ、私は消費税10%が既定路線になってしまったことを危惧しています。嫌韓デモするくらいなら、財務省に『アベノミクスを腰折れさせる増税を進める木下財務次官は韓国の手先か!?』とデモの一つでも 仕掛けたほうがいい(笑)」
ケンカで一度も勝ったことがない韓国の悲劇
11月、韓国の光州地裁前で三菱重工業に対する慰謝料請求訴訟で勝訴し、喜ぶ元勤労挺身隊員の韓国人女性ら [拡大]
「日本語で書かれた本で、これほど韓国を見下したものはないでしょう。ヘイトスピーチをしている皆さん、ここまで“上から目線”で韓国を見ていましたか?」と不敵に笑うのは、先日、『嘘だらけの日韓近現代史』を上梓した憲政史研究者の倉山満氏だ。
◆ケンカで一度も勝ったことがない悲劇の民族・韓国
李明博・前大統領の竹島上陸や天皇陛下に対する「土下座」発言、日韓基本条約で解決したはずの日本企業の戦時徴用に対する賠償命令、盗まれた仏像の返還問題など、このところ日韓両国間のトラブルは枚挙に暇がない。いずれをとっても、我々日本人のみならず国際常識的に見て首をかしげざるをえない“異常”なことばかりなのだが、どうやら朝鮮半島の人々にとっては当たり前のことらしい。
「一言でいえば、彼らはケンカで一度も勝ったことがないという悲劇の民族です。歴史認識にしても、誇れる歴史がないので自分らでつくるしかなく、事実なんかはどうでもいいんです。韓国の有名大学の教授が書く論文でさえそのありさまですから、『この人たち大丈夫かな?』と心配になりますよ。そんな韓国も、軍事政権時代はまだまともだったんです。朴正熙・元大統領(在任’63〜’79年)も、『我が民族の2000年は恥ずべき歴史だ』と語っています」
軍国主義と聞けば悪いイメージがあるが、倉山氏によると、どの近代国家でも軍事を国策の最優先事項にするうちに国が至上の価値になるのであり、国民国家が成立するうえで欠かせない過渡期なのだという。
歯が
痛いよう
正露丸
詰めとけ