細川氏が出馬する見通しという一報を受けたある日テレ関係者は「殿、ご乱心ですか…」とポツリと漏らした。
そう言いたくなるのも無理はない。昨年、テレビ朝日と激しい視聴率3冠王争いを繰り広げ、テレ朝に2冠をかっさらわれて巻き返しを期していた日テレは、今月31日ゴールデンタイムに“勝負特番”「封印された細川家の秘宝 信長59通の手紙を解読せよ」を編成。そこに細川氏が出演することになっていた。
テレビ局関係者は「公職選挙法の『選挙運動放送の制限』に抵触する恐れがあるため、選挙期間中に特定の候補に肩入れするかのような放送はできません。いくら選挙とは関係ないとはいえ、細川氏のパターンは間違いなくアウトでしょう。通例から考えると、恐らく放送しないんじゃないでしょうか」と語る。
日テレが都知事選出馬の細川氏に恨み節
前出日テレ関係者はこう断言する。
「選挙に出馬することが発表されると同時に、お蔵入りとなることが決定的です。そもそも番組は、細川氏が現当主の肥後細川家に伝わる織田信長直筆の手紙などをテレビ初公開、というのが目玉でした。歌舞伎役者の市川海老蔵が細川氏にインタビューをしています。とても細川氏の出演部分を削って差し替えることはできない。まあ良くても放送延期でしょう」
また、日テレに出入りしている芸能プロ関係者は「この番組には、元『NEWS ZERO』のプロデューサーで、昨年パワハラ&セクハラ報道があったXプロデューサーが関わっています。局内では『本当にあいつは(ツキを)持っていないな』などと言われていますよ」と苦笑交じりに明かした。
とにもかくにも、特にこの事態に大慌てなのが、日テレ内でも番組編成を担当している部署だ。「放送予定日までもう20日間くらいしかない。このままいけば、ゴールデンタイムの番組を差し替えなければならないので、本当に困っていますよ。おそらく何かバラエティー番組を急きょ撮って、対応することになりそうです」と前出芸能プロ関係者。
もちろんこのような混乱を招いた“張本人”細川氏に対する怒りも、日テレ内で渦巻いているという。
「選挙出馬を考えている人は、事前に出演番組を降りて、テレビ局などに迷惑を掛けないようにするのがマナーであり、業界の不文律。実際にほとんどの人がそのようにしてきた。確かに今回の出馬は急な話で、それこそ細川氏本人ですら、こうなるとは予想していなかったでしょう。それでもやはり『もっと早く言ってくれよ!』と怒っている人も多いですよ」(別の日テレ関係者)
正月3日に日テレは海老蔵を特集した番組を放送したのだが、この場で細川氏と海老蔵は対談。さらに渦中の特番の告知まで行っていた。民主党が細川氏に出馬打診と報じられたのは6日だが、「せめて3日に間に合えば、告知も取りやめられたのに…」と恨み節を言う関係者も。恐らく細川氏が出馬を考える上で、日テレの特番のことはすっぽり頭から抜け落ちていたことだけは間違いないようだ。
日テレの都合なんか
どうでもいいよ