2016年01月14日

ロシア・スパイ事件に揺れる防衛省

お粗末すぎる情報管理体制が露見

「OBだけでなく現役の幹部が関わっているようだ」

 日本の国防を担う防衛省が揺れている。理由はロシアへの情報漏洩。ロシアスパイを追いかける警視庁公安部は近く、漏洩に関わった7人を書類送検する方針だ。冷戦期さながらと思わせる今回の事件。当初は直接情報を漏洩した幹部OBとロシア大使館の元駐在武官を中心に立件する予定だった。ところが、幹部OBが元駐在武官に渡したブツを自衛隊駐屯地内から持ち出した中に現役の陸将がいたことがわかり、防衛省はあわてふためているというのだ。その実態に迫る。


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 2013年5月某日の夜のことだった。場所は学生で賑わう東京・高田馬場駅近く。その一角にあるロシア料理店で、2人の男が向き合っていた。1人は少し老いたとはいえ鍛え上げられた屈強な体をした防衛省OBのI。Iは現役時代、ある関東方面のトップを務め、陸将まで上り詰めた。陸海空自衛隊の初となる多国籍軍との共同軍事演習に参加するなど、数々の輝かしい実績を持つ人物だ。

 もう1人は豊かな口髭をたくわえ、青い目をしたロシア人のK。2人は周囲を一定程度、気にする様子も見られたが、酒が入った影響もあり楽しい時間を過ごしていた。2人のやりとりの様子からすると、関係は対等ではない。KがIに師事するような態度だ。この日は何事かの約束をして2人はそれぞれの家路についた。それから約1週間後、都内の超一流ホテルで2人再会した。おもむろにIが文書を取りだす。文書は400ページ以上もあろうかというものだった。文書に加えてIは自分が愛用していた電化製品もKに贈り、Kは笑顔でそれらを受け取ったのだった。

 Iは後ろ暗い気持ちはあったものの、機密指定がかかっているようなものではないと開き直っていたのかもしれない。むしろ自分を師のように仰いでくれたKの帰国の手土産にでもなればという思いのほうが勝っていたようだ。大勢の人が行き交うホテルで行われた出来事であり、誰も2人の行為に気が付かなかったのか。

 しかし、2人の行動を凝視していたあるチームがいた。警視庁公安部外事一課、いわゆるロシアスパイハンターの面々だった。ここから今回の警察対防衛省という一代攻防が幕を開けたのだった。


教範はどこから持ちだされたのか?

 渡した文書は普通科部隊、つまり歩兵部隊の戦術などが書かれた教範。防衛省によると、駐屯地内の書店で販売されているが、外部に持ち出すことは禁じられている。特定秘密や防衛省の機密指定にあたるものではないという。ただし、この教範の中には、アメリカ軍との連携など戦術の機微に触れられている部分もあり、純粋に自衛隊の戦術についてのみ記載されたものとは言い難い。

 Iは教範をKに渡した時点では、すでに防衛省を退職しており、直接入手できる立場にはなかった。では、誰がIのもとに教範を届けたのだろうか。先にも触れたが、Iは関東方面のトップにまで上り詰めた幹部自衛官である。長い自衛隊人生の中で多くの部下を持った。Iは豪快な性格で、自衛隊内では「軍神」という異名で呼ばれていた。豪快な性格に加えて、部下を半ば暴力的に従わせる一面もあったとのことで、Iに「忠誠」を誓った人物もさぞかし多かったろうと推察される。

 Kに手渡された教範は1冊だったが、Iの手元には今も3冊が残っているとされる。つまり、持ち出し禁止のはずの教範が合計4冊、外部に漏れてしまったというのだ。 ある1冊は現役の自衛官からIの元腹心だったOBに手渡され、またある1冊は別のOBが駐屯地内の売店で購入し、またまた別の1冊はIと男女関係が噂される女性現役自衛官が駐屯地の図書館から持ち出し、最終的にIのもとに集まったという。この女性現役自衛官に至っては、Iに対し「取り扱いには注意してね」とメールで釘をさしていたのだ。


あまりにゆるすぎる… 自衛官の情報管理意識

 そして、最も問題なのが現役の自衛官で、しかも陸将という高位にある幹部自衛官からIに渡った教範だった。外事一課はこの陸将からIが入手した教範がKに渡ったと見ているのだが、いくら特定秘密や極秘ではないしろものとはいえ、日本の国防を預かる自衛隊の、しかも幹部自衛官がいとも簡単に持ち出し禁止のブツを外部に出すとは…。驚きを通り越して、これで国防は大丈夫なのかとあきれてしまう。

 Iの事情聴取が今年上旬にあった際に、ある捜査関係者は「IとKを立件することが対ロシアへの牽制になるのであり、防衛省・自衛隊の問題にはしたくない」と漏らしていた。しかし、Iの携帯電話などを調べていくうちに、自衛官のあまりにもゆるすぎる情報管理を目の当たりにし、「関係者はすべて書類送検する」(別の捜査関係者)ことになったという。

 これには、防衛省側も驚きを隠せないようだ。当初、ある防衛省関係者が「持ち出し禁止といっても、極秘でもなんでもない文書。一部は黒塗りになるが情報開示を請求されれば公開されるもの」と語っていたように、立件は難しいと高をくくっていたふしがある。仮に、IとKが立件されたとしてもOBがやったこととして済ませてしまおうという雰囲気もあったという。ところが、捜査の大詰めで現役陸将の関与が明らかになり、警察に軍配が上がる形勢だ。余談ではあるが、防衛省・自衛隊の管理の甘さとして、この教範がインターネットのアマゾンで販売されていたことも付け加えておく。


ロシアスパイKはあの“ゾルゲ事件”と同じGRU所属

 ゾルゲ事件のリヒャルド・ゾルゲをはじめとして旧ソ連を含めたロシアによるスパイ活動はつとに有名だ。近いところでは、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の武官が家庭の事情を抱えていた海上自衛官につけ入って、秘密指定文書などを入手していた事件があった。

 今回、教範を受け取ったKもGRUに所属していたと見られる。KはIから教範を受け取った直後に帰国しているが、今回の日本勤務は3度目だったという。Kは今回以外にも、横須賀の海上自衛隊の基地を何度も訪問したり、ある駐屯地近くの居酒屋で居合わせた自衛官と名刺交換したりするなど、不審な行動がたびたび確認されている。Kは2008年にIがトップを務めていた関東方面の駐屯地を訪問し、これをきっかけにIの知遇を得たという。その後の2012年にロシア大使館のレセプションで2人は再会し、KはIに「教えを請いたい」との態度で接し、Iも籠絡されてしまったようだ。

 警視庁のスパイハンターたちがカバーで入国してきたロシア諜報員を“監視”“追尾”していることは公然の秘密である。情報部門にいたこともあるIほどの大物が、なぜ簡単に応じてしまったのか。ある防衛省関係者は次のように指摘する。「Iは渡したことは認めているが、『その程度のものを渡して何が悪いんだ』という態度でいるようだ。兄弟も自衛官になるなど“軍人”としてのプライドが高く、逆におだてられてその気になってしまったのかもしれない」。

 この指摘があたっているとしたら、本当にお粗末である。「その程度の情報も取ることができないのですか」とは、ゾルゲが相手から情報を入手するためによく使った常套句だったという。


今回の事件で、Iは再就職先だった大手自動車メーカーの顧問を辞め、防衛省もその内部ガバナンスが大きく問われることになるだろう。それにもまして、安保法制により海外派遣が可能になった防衛省がこの程度の情報管理で国民を守り、諸外国から信頼を得られると思えるだろうか。中国が人工島造成を進める南シナ海へ自衛隊を派遣すべきだという勇ましい意見もあるが、今回の行為はその中国に部隊編成や装備の機能を漏らすようなものだ。

 書類送検はされるものの、「起訴までは難しい」(捜査幹部)というように刑事処分は軽微なもので終わる可能性が高い。それでも、防衛省・自衛隊には自分たちの職務に鑑み、今回の件を重く受け止めてもらいたいものだ。
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マスタードガス

シクロホスファミドには元となる物質があり、この物質をマスタードガスといいます。
マスタードガスは毒ガスであり、ドイツで開発されました。
毒ガスとしての使用されていた
毒ガスとしての使用されていた
マスタードガスはもともと農薬開発の研究で合成されたものです。しかし、その毒性の強さのため開発は放棄されました。

また、マスタードガスは透過性が高く、ゴムを通過することができます。

このような性質にドイツ軍は目をつけ、マスタードガスを毒ガス兵器として使用しようとしました。そして、1917年カナダ軍に対してついにマスタードガスが戦場で使用されたのです。


毒ガスから抗がん剤へ:ナイトロジェンマスタード
ドイツが毒ガスの研究をしていたのと同じように、アメリカも毒ガスの研究をしていました。
このとき、マスタードガスの構造に少し変化を加えたナイトロジェンマスタードという物質が開発されました。

■ナイトロジェンマスタードとは
ナイトロジェンマスタード(Nitrogen mustard、窒素マスタードとも呼ぶ) は化学兵器の一つ。第一次世界大戦で使われたマスタードガスの硫黄原子を窒素に置き換えた化合物である。
マスタードガス被爆者には血圧低下や白血球減少などの症状
マスタードガス被爆者には血圧低下や白血球減少などの症状
1943年12月2日、イタリアの連合国側の重要補給基地であるバーリ港にドイツ軍は爆撃を仕掛け、
輸送船・タンカーを始めとする艦船16隻が沈没した。その中のアメリカ海軍リバティー型輸送船「ジョン・E・ハーヴェイ号」には大量のマスタードガスが積まれており、
漏れたマスタードガスがタンカーから出た油に混じったため、救助された連合軍兵士たちは大量に被曝。
被爆者からは血圧低下や白血球減少などの症状が見られた。


今から見ればどう見ても子供だましだが、当時は欲しくてたまらなかった
しかし、この値段は高すぎる
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2016年01月13日のつぶやき


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サウジアラビアとイランの緊張関係が続いています

サウジアラビアとイランの緊張関係が続いています。報道される中東情勢はザックリ過ぎて、理解どころか誤解を生みかねない。いま、何が起きているかフィフィが簡単に解説しますね。

◻サウジとイランがなぜ緊張関係に?
まず、サウジとイランがなぜこのような事態に至ったのか、その発端ですが、2016年1月2日にサウジが国内の王政に批判的な活動をした47人を、過激派の一掃と称して処刑したことにはじまります。その中にはサウジ王政に批判的だったイスラム教シーア派の有力な指導者ニムル師が含まれていました。ちなみに今回の集団処刑は1980年以来、最大規模です。
イスラム教スンニ派最大国家であるサウジに対し、イスラム教シーア派最大国家のイランがこれに反発。ただここで注意しなければならないのは、これは決して宗派対立ではないということ。
メディアは短絡的に宗派対立と報道しますが、これはイスラムが常に争ってるネガティブなイメージを与えますし、宗派対立として捉えてしまえばその問題の本質、背景が全く見えてこなくなってしまうのです。宗派対立なんてことで片付けるのではなく、サウジとイランの確執に迫ってこそ、またサウジの現在の状況を把握してこそ、初めて理解できるニュースなんです。

◻スンニ派とシーア派の違いは?
まず報道ではスンニ派、シーア派って言葉がよく登場するので、とってもシンプルにその違いを説明しますね。
ざっくり言うと、イスラム教の90%を占めるスンニ派は進行の拠り所をコーランに置いているのに対し、シーア派は指導者や預言者にその重きを置いています。また、スンニ派は偶像崇拝は危険(良し悪しを考えずそれを崇めてしまうので)として禁止しているのに対し、シーア派は崇める性質があります。例えばかつては、ホメイニ師も絶大な影響力を持っていましたね。イランの方々はホメイニ師に絶大な信頼を置いていました。スンニ派ではこの様に人物などを崇めることはあまりないんです。
スンニ派の最大国家がサウジ、シーア派最大国家がイランなんですよね。ただ、歪みあっているのは宗派の違いからではないですよね。

◻イランの現状
長きに渡る経済制裁下にあっても成長著しいイラン、アメリカとの核協定も合意し、今後 経済制裁解除の方向にあるようです。これを受け、欧米各国はイランの石油輸出再開に熱い視線を送っています。石油輸出国であるサウジはこれが気に入らない。安定するイランをどうしても混乱に陥らせたい。しかしそれが空回り、窮地に陥っているのはむしろサウジなのかもしれないんです。

◻焦るサウジ
この時期にイランを刺激してしまったサウジのやり方は完全に間違ってるでしょうね。国際社会に余裕の無さを晒してしまいました。
ただでさえ原油価格下落で昨年大赤字のサウジ、そんな時期にサウジは連日隣国イエメンへの空爆を続けています。イエメン攻撃は2015年3月26日からはじまり、年末までに7000人以上が死亡、32万の住居、506のモスク、3750の教育機関、229の病院、16のメディア機関を破壊したと発表されました。これはもはや過激派並みの無差別虐殺行為、国際社会で非難されるべきでありながら、例えば日本でも一切報道されません。
なぜか?石油利権を安定させたい欧米諸国はサウジの蛮行には目をつぶるからです。日頃人権にうるさい欧米各国が黙り…本当に情けない事態です、もちろん国連はもはやお飾り状態。
私は毎日のようにアラブ側の報道でその被害状況を見ていますが、目を覆う悲惨な光景に言葉を失います。

◻サウジはなぜイエメンを攻撃してるの?
サウジの状況を見る必要があります。サウジ国内の情勢は日本で伝えられることはありません、富豪の産油国というイメージしか持っていないのでは?
実はサウジ国内は混乱しています。サウジ国内でもプチアラブの春が度々起きています。格差を生む王政に対し反発する若者をサウジは必死で抑えています。皮肉なもので王政にある産油国は欧米に歓迎されます。それは国民をコントロールしやすいから。こんな馬鹿げた理由で王政が続き、格差を生み、時代錯誤な価値観で生きることを全ての国民が受け入れてるわけではないんですね。

サウジはメッカを抱えていますが、それだけでイスラム思想のスタンダードと思うのは大間違いです。去年ようやく女性に参政権を認めたくらいの時代遅れの国です。あえてその状態を保っているんですけどね。要するに、非常に歪んだ思想で国民をコントロールしているのです。多くのイスラム教徒はサウジを尊敬していないでしょう。石油に頼るだけのモラルのない成金国家の印象なんです。
また、サウジ国内は欧州で起きている難民問題の要素もはらんでいます。
かつて出稼ぎ移民としてサウジに住み着いたアラブ人の子供達が成長し、格差を感じる…疎外感を感じる…壁を感じる…王政下にあるサウジの社会はきっと他国よりもっとコネクション社会で、その壁を乗り越え成功を手にすることは困難を極めるんです。
そんな混乱につけ込み、サウジ王政崩壊を狙うのがイエメンの周辺にいる過激派や海賊たち。アラビア半島南西部のイエメンとアフリカ大陸の海峡には彼らが何時でも控えています。海峡の幅はたったの30km、サウジはイエメンの元大統領にこの状況を抑えるよう期待しましたが、イエメン大統領は過激派と反政府運動のなか国外へ逃亡してしまいます。サウジはイエメンとの国境をコントロールし、過激派の侵入を単独で抑えるしか手立てがなくなってしまったのです。

ちなみにイエメンの元大統領はシーア派に近い人物、スンニ派のサウジがシーア派に応援を依頼?ここから見ても今回のイランとの問題が宗派対立ではない事がわかります。

◻今後
サウジはイランとの国交を断絶、それに伴いバーレーンやスーダンもイランとの国交を断絶すると表明。まぁ、サウジに同調しているのも経済関係からでしょうね。サウジの隣国バーレーンは中国では香港のような存在、サウジがあっての島国なのです。サウジに逆らうことは出来ません。でも、国民の心情は複雑です。常日頃の関係でサウジに反発的な人も少なくありません。
サウジとイランが戦争することはあるの?と友人のイラン人に電話で尋ねると、長年イランイラク戦争もしてきたイラン、軍事力でもサウジには負けないからね、サウジは戦争を仕掛けることは出来ないと思うよ。とのこと。
確かに今のイランは中東の中で最もと言っていいほど優秀な国。ペルシャ語を話す彼らはアラブ人とは異なるペルシャ人で、それでもその中で優れた文明、数々の革命を成し遂げ独自に成長してきた。日本では千夜一夜で知られるその文化も魅力的だ。商人としての才能も優れており世界中で活躍している。
それに比べサウジはどうか?アラブの他の産油国にも言えるが、シリアで、イラクで、パレスチナで、人々が困窮しているのに解決するどころか欧米と手を組み空爆に参加するばかりで、難民を受け入れることさえしない。同じアラブ人で有りながら、過激派の流入を恐れて難民を拒否する始末だ。過激派に付け狙われる原因を正そうともしない。泥沼化する中東問題の根源は彼らにあると言っても過言ではない。石油の恩恵を独り占めし贅沢三昧で同志を救わない彼らに宗教を語る資格もない。悔しさを通り越して腹立たしい。

さて、これが今起きているサウジアラビアとイランの問題の背景。日本にとって中東はいつも遠い…でもこれだけ中東の原油に依存しているところだけを見ても、もっと中東に関心を持つべきではないだろうか?
今年は是非サウジアラビア、イランを中心とした中東情勢にも目を向けて欲しい。日本のメディアが伝える中東情勢とは違う中東を知ることができるかもしれない。
posted by РМН at 00:00| Comment(0) | 某掲示板より転載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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