「パンツ泥棒」が大臣閣下へ立身出世。憲政史上、前代未聞、「パン泥の箱」を開けてしまったのが、高木毅・前復興相(61)である。昨夏の大臣交代で追及の手も弱まり一安心のところ、いきなり“身内”のはずの自民党代議士から、「逮捕歴」を暴露されてしまった。
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この酉年は、高木代議士にとって受難の幕開けとなった。
まずは1月8日、地元・福井県敦賀市の成人式。
「市長の挨拶の後、高木さんが登壇した。すると、席を立ってウロチョロしていたヤンチャっぽい新成人が“パンツ! パンツ!”と野次を飛ばし始めたのです。もちろん聞こえていたでしょうが、高木さんは淡々と挨拶を終えて席に戻った。その後も不良たちは式の間、事ある毎に“パンツ!”と野次っていたのです。笑いをこらえるのに必死でした」(市役所関係者)
代議士が他人のパンツに手をかけたのは、30年程前。その時には影もかたちもなかった新成人からも認知されているとは、地元で事件は“史実”として定着したということであろう。
それに続けて、何よりも衝撃だったのは1月13日。自民党福井県連の山本拓会長が、県庁で取材陣に対し、「県連の調査の結果」として、「高木前大臣は、30年前、女性の住居に侵入し、逮捕されていた」と発言。それが、NHKのニュースとなって全国に届けられてしまったのである。
■2区争奪戦
本誌(「週刊新潮」)は一昨年の大臣就任後、関係者の証言から、高木氏が女性宅に忍び込み下着を物色中、駆けつけた警官によって取り押さえられた旨を指摘してきた。これを受け、国会でも野党が再三追及。しかし、当人はロクに質問に答えず、「事実無根」の一点張りで逃げ続けてきた。ところが、今回は身内の自民党、しかも同じ県連のトップが堂々、所属議員の嘘を明らかに。その事実は極めて重いのだ。
その“勇気ある”山本代議士に聞くと、
「細かい内容については言えない」
となぜか口を閉ざすが、
「山本さんは、高市早苗・総務相の夫として知られるベテラン議員。しかし、高木さんとは不仲なんです」
とその背景を解説するのは、地元の全国紙記者だ。
もともと福井は選挙区が3つに分かれ、2区を山本氏、3区を高木氏が地盤としてきた。しかし、先の選挙から定数が削減され、区は2つに。「新2区」を巡って、両氏は領地争いをすることになった。
「結局、山本さんが2区を高木さんに譲り、自分は比例ブロックの1位で処遇されることになりましたが、本人は未だに納得していません。次回の選挙では2区を奪うか、自分の子飼いの候補を立候補させたい。そこで、独自にライバルのスキャンダルの裏をとり、解散後はその事実を突きつけて、高木さんに2区返上を迫る心積り。その狼煙として、新年早々、オンレコで逮捕歴を暴露したというワケです」
引退へチェックメイト。そんな感ある高木パンツ氏に山本発言への見解を聞くと、これまで同様、「事実ではない」を繰り返すが、国会で質問を続けてきた民進党の柚木道義代議士は言う。
「これでより逮捕歴の確証が深まった。虚偽答弁を行い、国会を愚弄したワケですから、当然、国会議員の職を辞すべきです」
自らを省みず、のぼせ上って大臣など引き受けてしまったのが、そもそもの誤りだった。
パンツ泥棒かブラジャー泥棒かわからないのに
下着イコールパンツと短絡して
高木大臣のことをパンツ大臣などと呼ぶのはいかがなものか