「ヒンシュクは金を出してでも買え」――幻冬舎の新聞広告に掲載された傑作コピーとして、今もご記憶の方は多いだろう。そして現在の日本で、この“テーゼ”に最も忠実な人物といえば、ZOZOの前澤友作社長(43)をおいて他にはいない。
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とにかく前澤社長は、ニュースになることが多い。年末年始のトピックを振り返るだけでも大変だが、まずは1月5日に自身のTwitterで「100人に100万円の現金プレゼント」を発表した。リツイートを条件の1つとすると、554万RTの世界記録を達成したことは記憶に新しい。
「宣伝費と考えれば安い」と理解を示す声もあったが、1億円をばら撒くセンスには疑問の声が少なくなかったのも事実。まさに顰蹙を金で買ったのだ。
本業では、12月25日にオンワードがZOZOTOWNでの販売を中止。年が明けると、週刊新潮の取材にミキハウスも離脱を表明した(デイリー新潮「前澤社長が1億円バラ撒きも…進む有名ブランドの『ZOZO』離れ ミキハウス社長も撤退明言」1月16日)。
今後に悲観的な見通しも根強く、昨年7月18日に4875円の高値をつけた株価は、今年1月4日に1888円まで下落。21日現在で2265円まで回復したとはいえ、それでも下落率は50%を超えている。
プライベートでは、1月17日にデイリースポーツが報じた「前澤氏、ツイッターのプロフを変更『剛力彩芽さんが彼女』などが削除」の記事を自身のTwitterで引用。「世界一どうでもいい。。。」とのコメントを付けてツイートした。だがネット上では、「どうでもいいならなぜリツイートするのか」といったツッコミが相次いだ。
その一方で、最新ニュースは“美談”だ。TBS系列のワイドショー「サンデー・ジャポン」(日曜・午前10時〜午前11時22分)が13日、アメリカで心臓の移植手術を行うため3億5000万円が必要な幼児について報道した。
これに前澤社長が反応。寄付を募るツイートを行い、「個人的な寄付を行い、RT1件につき、自分が更に10円を寄付する」と宣言。これが功を奏したのか、目標金額に達成するメドが付いたと、日刊スポーツが報じた(「『サンジャポ』前澤氏の尽力効果で3歳児心臓移植へ」1月19日電子版)。
こうした“発信力”を評価する向きもあるらしく、サッカー元日本代表・中田英寿氏のマネジメントで知られるサニーサイドアップが前澤社長の“芸能活動”を担当することが明らかになっている。女性自身は1月6日(電子版)「剛力彩芽 恋人社長も芸能界へ!大手PR会社窓口で営業も開始」と報じた。
これに対して恋人の剛力彩芽(26)だが、少なくとも芸能活動は苦戦を強いられている。まず山崎製パン「ランチパック」と、ヤクルト「ジョア」のCMを降板。所属事務所であるオスカープロモーションの年賀状からも姿が消えたと報じられた(デイリー新潮「1億円『前澤社長』の陰でオスカー年賀状から消えた『剛力彩芽』 業界で囁かれる噂」1月17日)。
こうなると今年2019年、芸能人としての売れ行きも前澤社長が剛力を上回る可能性がある――こんなことを書けば冗談と受け止める方が大半だろうが、実は真面目な話なのだ。
「好感度が高い」という説も
1月4日、前澤社長が出演した「新春ミヤネ屋 カリスマ前澤社長 大カミングアウトSP〜独占密着!〜コレが私の生きる道」(読売テレビ/日本テレビ系列)が放送された。この視聴率が好調だったという。
番組の内容を、少なからぬメディアが報じた。例えば1月4日、スポニチアネックスは「ZOZO前澤社長、子供は『3人、お母さんは2人』剛力彩芽も『応援』ミヤネ屋で告白」の記事を掲載している。
上記の見出し通り、番組では前澤社長に私生児が存在することや、そうした“過去”に剛力彩芽が理解を示していることなどが本人の口から語られたわけだ。
そして、テレビ業界にとっては最も重要なことだが、前澤社長が登場すると視聴率が跳ね上がったというのだ。日テレの関係者が明かす。
「前澤さんが画面に登場すると、毎分視聴率が急激に上昇しました。細かい数字は勘弁してほしいですが、名だたるタレントでも、なかなか出せない数字でした。もちろん“旬の人”です。前澤さんに興味を持っていた視聴者は多かったでしょう。でも、『毎分視聴率を上昇させられるのは、好感度が高い出演者』というのが我々の常識です。サニーサイドアップさんもウハウハでしょう」
テレビ関係者が“視聴率の分析”に関してプロであることは言うまでもない。だが、前澤社長が世間の耳目を集めていることは理解できても、「好感度が高い」となると違和感を覚える方も少なくないだろう。芸能担当記者も首を傾げる。
「前澤社長への社会的関心は高まる一方ですから、数字を持っておられるとは思います。とはいえ、普通の視聴者が『私には私生児がいる。結婚はしていない』という告白に好感度を抱くはずがありません。前澤社長の番組を視聴した中には『怖いもの見たさ』という人も相当な数だったのではないでしょうか」
実は昨年10月12日、前澤社長と剛力は同じ日テレ系列の「アナザースカイ(another sky)」(金曜・午後11時〜午後11時半)に出演したが、その平均視聴率が5.9%と低迷、芸能メディアで話題になったことがある。
例えば、アサ芸プラスは「剛力彩芽、出演番組視聴率がIKKOに惨敗で『別れたら勝てるかも』の声」(18年10月17日)という記事を配信した。前週のIKKO(57)は7.9%だったのだ。
前澤社長からすると、恋人との“共演作”は不調に終わったが、“ピン”での出演作は及第点を取ったことになる。この傾向が今後も続くなら、前澤社長と剛力の“商品価値”も見直されるかもしれない。
いずれにせよ今年も、この2人について様々な報道が続きそうだ。
週刊新潮WEB取材班
2019年1月23日 掲載