介護報酬引き上げ案 月額たった6千円? 岸田首相と萩生田氏に《ドヤ顔するな》と非難囂々
自民党議員が慌てているのは、大きなスキャンダルもないのに支持率が下がっていることだ。自民党の支持率も落ちている。
「首相秘書官だった岸田首相の長男が不祥事を起こした時も、内閣支持率は下落しています。でも今回は、分かりやすい下落原因が見当たらないのに下がっている。しかも、支持率をアップさせるために、女性閣僚を5人も登用し、ガソリン補助金も延長した。旧統一教会の解散命令請求も提出した。それでも過去最低を記録してしまった。心配なのは、経済対策に『期待できない』が約7割に達していることです。もし、国民生活の悪化が支持率の下落要因だとすると、もはや小手先の人気取りでは支持率の回復は難しくなります」(自民党関係者)
特徴的なのは、若者の支持が極端に低いことだ。
時事通信の10月調査によると、「18〜29歳」の支持率は10.3%だった。「30歳代」も18.1%と低かった。支持率は、年齢にほぼ比例し、「70歳以上」が36.0%と一番高かった。世代間ギャップが大きく、「70歳以上」と「18〜29歳」の間には25.7ポイントもの開きがあった。
男女別では、「男性」29.9%、「女性」22.5%と、7.4ポイントの差があった。全体の内閣支持率は26.3%と過去最低だが、相対的に「高齢者」「男性」の支持が高く、「若者」「女性」の支持が低いのが岸田内閣の特徴だ。「若者」の支持が高かった安倍内閣や菅内閣とは真逆である。
ビジョンやメッセージが見えてこない
明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。
「安倍内閣はキャッチフレーズがうまく、なにか新しいことをやっているイメージがありました。若者の雇用も改善した。菅内閣には携帯電話の料金を大幅に下げるという実績があった。だから、若者の支持が高かったのでしょう。ところが岸田内閣からは、なにをやりたいのか、ビジョンやメッセージが見えてこない。若者は、そこにモノ足りなさを感じているのだと思います。
物価高もあります。貯蓄の乏しい若者に物価高は切実ですからね。その一方、安倍、菅政権の時は、賛否が分かれ、国民世論が分裂することが多かったのに比べ、合意型の岸田政権は安心感がある。高齢者の支持が高いのは、そのためでしょう。それと、かつて高齢者が経験した古き良き時代を象徴する“宏池会”の出身総理だという思いもあるのだと思います」
岸田支持層には、景気のいい時代に人生を謳歌し、十分な退職金と相当の年金をもらっている恵まれた高齢者が多いのかも知れない。しかし、この先、高齢者の支持も離れる可能性がある。
「多少の貯蓄があった高齢者も、物価高が2年に及び、不安が強まっているはずです。後期高齢者は医療費負担も大幅に増やされた。岸田内閣の発足時は、宏池会出身という期待も高かったが、少しずつ失望に変わりはじめてもいます。高齢者は投票率が高いだけに、野党に一票を投じたり、棄権すると、自民党は思わぬ敗北を喫する可能性があります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
若者が大挙して投票所に足を運んだら、自民党は真っ青になるに違いない。