2023年12月25日

12月25日のおすすめ記事

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1契約あたり5056円の「社費」が保険会社に入ってくる

■1契約あたり5056円の「社費」が保険会社に入ってくる

 制度上「利益」はない。しかし、保険会社には、自賠責保険の契約を1件引き受けるごとに、「社費」という名の手数料が入る仕組みになっている。損害保険料率算出機構に確認したところ、2023年4月1日以降の社費は、契約1件あたり5056円。この数字は、自賠責審議会の報告書の中にも明記されている。

 業界全体で見ると、この「社費」だけで年間2000億円を超えており、大変大きな額であることがわかる。ちなみに、われわれ自動車ユーザーと対面して自賠責保険の契約を行う代理店の手数料は、1契約当たり1735円だ。損保会社が手にする社費の3分の1強に過ぎない。9月8日の会見では、この「社費」についても質問が行われ、損保ジャパン・経営企画部門担当の取締役常務執行役員・山本謙介氏は、自賠責保険料の一部が「社費」=「収入」として保険会社に入ってくることを認めたうえで、こう答えた。

 「自賠責保険はノーロス、ノープロフィットの原則で利益は生れておらず、社費は経費で相殺されています。ただ、お客様から頂戴している大切な保険料ですので、我々もしっかり理解し、胸にとめて対応しないといけないと考えております」

 つまり、1件あたり5056円の社費は、すべて営業費(人件費や物件費)と損害調査費として使われており、保険会社にはいっさい利益はないという説明だ。自賠責審議会の報告書によれば、その内訳は、営業費3481円、損害調査費1578円となっている。

■「全て使い切っている」ことになっている

 繰り返しになるが、自賠責保険は赤字も黒字も出さないことが前提の保険。「社費」は損保ジャパンだけでなく、全社一律、同じ金額なので、どこの保険会社も1契約あたり平均5056円の経費を受け取り、それを全て使いきっているということになる。
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