河野デジタル相は14日、マイナンバーとひも付けた公金受取口座に関し、「誤登録の可能性が高い940件のうち、登録情報の修正が行われなかった616件について一両日中に登録情報の抹消を行う」と発表。誤登録問題が発覚して以降、デジタル庁は「『マイナポータル』を通じて修正手続きの申請をして欲しい」と呼びかけてきたが、応じたのは実に3割程度。6割以上に“無視”された格好だ。
口座情報の修正を周知してもスルーされるということは、「マイナポータル」はロクに確認されていない可能性が高い。最大2万円分のマイナポイントをバラまいてマイナカード取得と、保険証や公金受取口座とのひも付けを促した結果、今や利用者はほぼ放ったらかしが実態ではないか。
マイナ保険証も全然人気がない。10月時点の利用率は4.49%で、ピークだった4月の6.3%から6カ月連続で下がっている。
病院5割超「メリット特にない・わからない」
利用率低下を危惧してか、河野氏は武見厚労相と一緒に13日、東京慈恵会医科大学付属病院を訪問。マイナ保険証をアピールするチラシを配布していた。デジタル化の名の下、来秋に紙の保険証を廃止してマイナ保険証への移行を強引に進める一方、広報活動はチラシ配りとは、超がつくアナログ。まるでコントだ。保団連の竹田智雄副会長(竹田クリニック院長)がこう言う。
「マイナ保険証の利用促進に900億円も投じたところで、利用率が上がるとは到底考えられません。焼け石に水でしょう。厚労省が今年7月末から9月中旬にかけて実施したマイナ保険証の利用に関する医療機関・患者への調査によると、マイナ保険証を活用している病院のうち51.1%が、患者にとってのメリットが『特にない・わからない』と回答しています。利用促進してもかえって制度設計のずさんさやメリットのなさが浮き彫りとなり、利用率が落ちている。紙の保険証廃止を撤回し、制度設計を見直すべきです」
河野氏は行革担当相でもある。まず見直すべきは、マイナ保険証につぎ込まれる税金のムダだ。