トラックドライバーの時間外労働の規制強化で輸送力不足が懸念される物流の2024年問題が課題となる中、岸田総理大臣は、物流業界の経営トップらと意見交換を行い、人手不足の解消に向け、適正な価格転嫁などを通じて、トラックドライバーの賃金が10%前後引き上げられることに期待を示しました。
16日、総理大臣官邸で開かれたトラックドライバーの賃上げに関する意見交換会には、岸田総理大臣や関係閣僚と物流大手の経営トップらが出席しました。
この中で、物流大手各社からは、省力化への投資を通じて、ドライバーの労働環境を改善するとともに、荷主側の企業と協力し、運賃を引き上げていくことを報告しました。
このあと、岸田総理大臣は、「物価上昇を上回る賃上げの実現に総力を挙げて取り組んでおり、特に中小零細事業者の賃上げが最重要課題だ」と述べたうえで、国が運賃の目安として事業者に示す「標準的運賃」の引き上げや、運転以外の業務の対価が適正に支払われることを通じ、来年度、10%前後の賃上げが期待できるという見方を示しました。
国土交通省のまとめでは、トラックドライバーは、年間の労働時間が全産業の平均と比べおよそ2割長い一方、所得額はおよそ1割低いということで、ことし4月に迫った物流の2024年問題によるトラックドライバーの人手不足に対応するためにも、大幅な賃上げが実現できるかが焦点となっています。