人手不足で「住所不定の50歳近い男も採用した」“崩壊寸前”飲食店の叫び。ろくに面接もしなかったた結果…
深刻な人手不足が叫ばれる今、多くの職場が採用難にあえいでいる。そうしたなか、ひと昔前までは採用されなかったような“ヤバいバイト”が現場に大量発生しているという。常識やモラルが疑わしい人材でも雇わざるを得ない、壮絶現場の実態とは?バイトの横暴で疲弊する社員や店長、バイトリーダーたちを直撃!
店に住むホームレス店員が水道で洗髪、設備を破壊
「人手不足すぎて、信じられないレベルのろくでもないヤツでも採用せざるを得ない状況なんです」
開口一番にこう吐露するのは、都内の丼ものチェーン店に10年以上勤める柿谷実さん(仮名・38歳)。バイトリーダーも務める柿谷さんは、何人ものバイトに出会ってきた。
「ウチの店は1時間に40人は来店する超多忙店。その割に時給も1500円とそこまで高くないから、求人を出してもまともな人材は応募してこない。驚いたのは、あるバイトにフライヤーにある油を入れ替える作業をお願いしたら、受け皿を用意してなくて床に油が流出。熱々の油がかかって、やけどを負うような人がいました。それと、住所不定の50歳近いホームレス男を採用し、店に住まわせていたことも。その男は店のシンクで洗髪していて、最後は水場の配管を破壊して、そのまま“飛び”ましたね」
人手不足による影響は店頭だけでなく、商品の生産工場にも及んでいるという。
「工場のバイトも足りていないので管理がガバガバ。店頭まで運んでくれるのは外部の委託業者なんですが、その人に『出荷時点ですでに賞味期限が切れているけど大丈夫ですか?』と確認されたことがありました。知らずにそのまま仕入れている店舗もあるかもしれませんね」
ろくに面接もせず外国人を大量採用した結果…
柿谷さんが勤めるチェーン店では、人手不足解消を目的に外国人雇用を拡大しているという。だが、ろくに面接もせず大量採用した弊害もある。
「ベトナムやミャンマーから来る外国人留学生のなかには、仕事熱心な人も多い。だけど、なかには日本語がまったくできない状態の人もいて、経営側がそれを把握せずにワンオペのシフトを組むこともしばしば。しかも、作業をのんびりこなしていったりする人も多いので、結局、客のほうが諦めて退店してしまうこともままあるようです」
このケースは店の採用システムに問題がありそうだが、明らかな悪行に手を染めてしまう外国人もいるとか。
「ごく一部ですが、短期の出稼ぎ気分で日本に来る外国人の中には、しがらみがないせいかやりたい放題の人も。客が置き忘れた財布をしれっと盗むヤツもいました。ただ、そいつは盗んだクレジットカードを不正利用したので結局はバレていましたが。あとは、店に備蓄しているコメを盗んで転売していた輩もいて、最近のコメ不足に乗じてボロ儲けしていたのかなと。そうしたモラルのない人でも戦力として数えなければいけない現状に、ヒヤヒヤしてますよ」
慣れ親しんだチェーン店の現場は、崩壊寸前のようだ。