■「引っ張り込んでいるのは大人。子どもたちの事件ではない」
闇バイトに関わる若者たちも、そのパターンはそれぞれ違う。危険性について「わかっているけどしかたなくやる人」「わからなくてやっている人」「わかっていてやりたくてやっている人」と、3パターンいると兼近は分けて説明した。また、闇バイトに誘う側の者については「悪いやつらは仲間に引き入れるという手も使う。『ここがお前の場所だぜ』と言いつつ、さらに『殺すぞ』と追い込みもかける。(グループに)いたら得もできるし、楽しくもあるが、そこから出たら誰も相手してくれないとなれば(グループに)いるかもしれない。逃げたら怖いが、いれば友だちがいるからだ」と、孤立した若者が巻き込まれ、かつ抜け出せなくなる状況を説明した。
さらに実際の犯行はせず、指示役に回る大人の罪深さについても指摘した。「結局こういうのは大人が動かしている。助けてくれるのも大人だが、引っ張り込んでいるのも大人。子どもたちの事件みたいにしているが、大半はやっぱりいいように使いたい大人が多い。これは本当に大人の事件で、闇バイトを子どもの問題としたらいけない。闇バイトを動かしている人たちも、もともとはどこからも求められてない子どもだった。こういう世界だから輝けると走ってきた人たち。その手前の子どもたちを守らないといけない」。孤立した子どもが闇の世界で大人になり、さらに闇へと子どもを誘い入れる悪循環を止めるため、今の子どもたちを守ることの重要性を説いていた。
(『ABEMA Prime』より)