理由は中国指導部内に日本からの2か国間援助に警戒的かつ慎重な意見があるからだ。そのため、安倍政権は中国も被援助国となっている多国間向け技術援助を担当する政府内の某交流機関を通じて、迂回スタイルの援助を提案しているというわけなのである。これなら中国も乗りやすい。
安倍内閣の中国向け環境支援は政権内部に反対意見は存在していない。安倍総理も前向きである。すべては首脳会談実現のための環境整備が目的である。
なんのことはない。これでは対中ODA削減の代償としてアジア開発銀行が利用されたあのパターンの再現ではないのか。日本国民の反対に直面した政府・財務省はODAと言う二か国間の援助ではなく、国民がほとんど知らないアジア開発銀行を通じて迂回融資を本格化させていたのである。
これがいかに異様なことなのか。それはアジア開発銀行の融資の半分以上が外務省主導のODAでは禁止されたはずの「交通インフラ」部門に集中していることである。「交通インフラ」とは鉄道、道路、空港、港などを指し、それらはいずれも人民解放軍の絶対的影響下に置かれている。
こういう解放軍の影響下にある鉄道部門に日本のODAとアジア開発銀行からの融資は継続的に続けられ、いつの間にかその額は世界1となっていったのである。また援助で建設された四川省とチベット・ラサを結ぶ高速道路はチベット有事の際、解放軍が鎮圧のために独占的に使用を許されている場所でもあるのだ。
だが、ことはこれだけではすまない。先ごろ逮捕された鉄道相の解任理由は「鉄道建設に絡む業者からの収賄」であった。
深刻なのは、賄賂に関する噂として、日本のODAを利用した鉄道建設に絡み、日本の鉄道メーカーが担当機関の鉄道省高官に賄賂を贈っていたとささやかれていることだ。
言うまでもないが、これほど膨大な援助を行ってきたのは民主党ではない。歴代の自民党政権である。こりもせず、安倍政権はさらに中国向け環境援助に踏み出そうとしているのである。すでに日本の環境援助額は1兆数千億円に達している。それでいて、反比例するかのように、中国の環境汚染は進むばかりである。成長最優先のつけである。
それならば、とまたまた日本政府が乗り出して、タダで世界一のレベルにある日本企業の環境技術を提供しようというのである。ここまでくれば、アホくさいとしか言いようのない話である。
まだある。今回も政治的な配慮から安倍崇拝者たちは沈黙するだろう。
安倍ちゃん大好きな「保守言論人」たちも同様である。
民主だろうが、自民だろうが中国向け援助の中身は日本国民の血税である。消費税も8%、10%とアップすることが決まってしまった。それでも中国援助はどんどんやりますとみんなの安倍ちゃんは言うのである。
だが、政治家に対する評価は是是非非でなくてはならない。そうでないと多くの共感を得ることは困難だろう。
「中国包囲網」などというスローガンを口実にTPPを推進しながら、同時にその裏では、対中援助に前向きであり、日中韓FTAや、実質的に中国が主導しているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)にも積極的な姿勢を見せる安倍政権。
「特亜」の脅威に対峙していくために安倍政権を支持しなくてはならない。
「中国包囲網」のためにはTPP参加もやむを得ない。
そう考えている人たちは多いと思いますが、安倍政権が、日本人の血税や技術を中国にただでくれてやり、FTAを結んで「特亜」と関係を深化させようとしている現然たる事実を、一体どのように考えているのでしょうか。
燃料まで入れちゃったはずの
北朝鮮のミサイルはまだなのかね。