2013年09月25日

もともと、国労が強く、その怨嗟の念が渦巻くJR北海道

もともと、国労が強く、その怨嗟の念が渦巻くJR北海道は、その上、JR総連系と御用組合が対立する事になった。経営陣は「分割統治」を狙っているのだが、JR東日本のように経営が順調な会社はそれがプラスに働く、しかし、経営が厳しく、人員削減、経費削減圧力が強いと現場のモチベーション低下に歯止めがかからない。そして、今年に入っても脱線事故が発生する。JR北海道を取り巻く状況は非常に厳しい。

新千歳・羽田間のフライト利用目的の40%は観光、37%はビジネス、20%は帰省を含む私事の利用とのデータがあり、データ上からも観光と親和性の高い新幹線は有利になる。しかしながら、飛行機の方が価格と時間において有利な事は変わらないだろうから、観光目的の半分以上、ビジネス・私事の1割が新幹線にシフトすると考えて、トータルでは3割近くがシフトするだろう。新幹線推進派からは5割がシフトするという試算が出る一方、懐疑派からはほとんどシフトしないという声もあるが、どちらも極端だと思われる。5割もシフトするという意見は、燃料費が上昇傾向にあるとは言え、飛行機の価格優位を軽視しすぎだし、ほとんどシフトしないという意見は、ビジネス以上に観光利用の多い実情と、北海道の観光資源が函館〜札幌間に集中している点を軽視している。

 いずれにせよ、北関東以北と北海道の移動手段は新幹線が支配的になるだろうし、少なく見積もっても、羽田〜新千歳間の3割シフトが期待できる北海道新幹線は成功する可能性が高いと思われる。費用面も問題になり、1兆5千億円超の総事業費の三分の一を負担する北海道であるが、経済効果が2兆円近くなり、雇用創出の強大さを考えれば、推進せざるを得ないだろう。国も財政の厳しい状況で、1兆円近くの財源を捻出するのは厳しいのだが、北海道新幹線の札幌への延伸は既定路線であり、なるべく早く目処をつけたいと考えているフシがある。というのも、JR北海道には、国が民営化時に経営安定化基金・七千億円超を貼り付けており、しかも、その基金を維持する国の出費も増加傾向にある

ここで、話を北海道新幹線の話題に移す。実はこの北海道新幹線の開業効果に懐疑的な声が多い。まず、飛行機との競合だ。羽田から札幌までは1時間30分と考えると、東京駅札幌駅間は5時間以上かかる可能性がありナンセンスだという指摘だ。確かに、乗っている時間の単純比較では大きな差があるが、飛行場には余裕をもって1時間前には付くのが一般的だし、新千歳空港から札幌までは40分近くかかる。だから、正味の拘束時間は3時間以上となる。となると、2時間の差と見るのが現実的だ。この2時間の差をどう見るかだろう。ただ、これに羽田空港から東京駅までの時間を考慮すると30分以上かかるので、1時間半の差が厳密かもしれない。結論を言えば、ビジネスの利用では飛行機の利用に分がある。しかし、これを観光目的と考えるとだいぶ話は違ってくる。本州からの観光客はかなりの確立で、札幌に加えて、小樽も観光する。だが、小樽は千歳からだと札幌よりも30分以上は余計にかかる、逆に北海道新幹線の小樽駅は札幌の一つ手前の駅だ。となると、小樽を先に訪れれば、さらに一時間近く短縮されるのだ。こう考えると、1時間も正味の時間差は出ないし、空の旅よりも車窓の旅の方が旅情がある。飛行機だとほとんどの人が窓から外の景色は見られないし、大抵が雲の上だ。そもそも、札幌と函館は全国の地域ブランド調査の1位、2位を争う存在であり、函館で下車してから、札幌方面へ行きたいという人も多いだろう。それゆえ、観光目的では大半が新幹線に流れ、ビジネス利用でも、埼玉・北関東の人達は新幹線を使う事になるだろう


JR北海道にとっての一縷の望みは、やはり北海道新幹線なのだろう。JR北海道と同じ「三島会社」で、JR九州は昨年の新幹線全線開通で、予想を上回る利益をあげた。そして、その結果を踏まえ、2014年には上場するという目標を掲げ、今年度と来年度はその環境整備にあてると表明したのである。「三島会社」とは、JR北海道、JR九州、JR四国の事を指し、国鉄が民営化したときに、赤字・国による基金で路線援助が必要になるとされた会社だ。しかし、その中からJR九州は卒業できる見込みがたったという事だ。もちろん、売上が倍なのに、カバーする面積が一回り小さいJR九州とJR北海道を単純に比較することはできないが、北海道新幹線の開通インパクトは昨年の九州全線開通のインパクトを上回る事が予想されるので、期待は高まっている。
posted by РМН at 19:00| Comment(0) | 某掲示板より転載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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