【9月27日 AFP=時事】国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)」は27日、地球温暖化の原因は人間の活動にあり、今世紀末までに地球の気温は0.3度から最大で4.8度上昇すると予測する第5次評価報告書を発表した。
2007年にノーベル平和賞を受賞しているIPCCの作業部会は3つあり今回の第1作業部会による報告書の要約によると、海面は2100年までに26〜82センチ上昇する。また過去60年における温暖化の要因は半分以上が人間の活動にある可能性については、95%以上の確率を示す「極めて高い」との表現を用いた。2007年発表の前回報告書では、同じ項目について90%の確率としていた。
地球温暖化の現状と影響を考察する報告書は、全3部をまとめる予定で、27日発表のものは、その第1部。
IPCCは25年前の創設から、これまでに4回、温暖化の評価報告書を発表。どの報告書でも気温上昇や、これに伴う干ばつや洪水、暴風雨、海面上昇など気候システム異常の増加に対する警告を、強く訴えてきた。
2100年の予測数値は、温室効果ガスの動向を算出するコンピューターモデルを基としている。温室効果ガスの要因は、今日の主要エネルギー供給源である石炭、石油、ガスなどだ。
IPCCがまとめた4つの予測シナリオのうち、最も楽観的な数字は2100年までの気温上昇を2000年時との比較で平均1度、最低で0.3度、最大で1.7度としている。産業革命初期からの気温上昇を2度未満とした国連の長期目標数値を満たす唯一のシナリオだ。
温暖化の影響を最も大きく見積もったシナリオは、今世紀末までの気温の上昇が平均3.7度、最低でも2.6度、最大で4.8度と予測しているが、これは環境専門家の多くが壊滅的と予想する数字だ