2014年01月31日

官僚や企業家などの現実的な水素エネルギー論者が一番あてにしている供給源

官僚や企業家などの現実的な水素エネルギー論者が一番あてにしている供給源が、製鉄会社のコークス炉と、将来的な石炭ガス化施設である。つまり、石炭なのだ。周知の通り、石炭は他の資源に比べれば長持ちするものの、しょせんは化石燃料だ。炭化水素からの改質によって取り出す水素は、持続不可能エネルギーと言わざるをえない(*R水素に関しては次回詳述)。対して、電力の場合は、発電源を化石エネルギーから徐々に自然エネルギーに切り替えていくことによって、持続可能化できる。

もっとも、枯渇しない方法がないわけでもない。今言った副生水素としては、ゴミ処理の過程から排出されるものがある。また、高温ガス炉を使った水の熱化学分解法や、光触媒を使った水分解法もすでに実用化されている。原子炉を使う方法は、将来的な「水素還元製鉄=原子力製鉄」などに有望だが、福一事故以後は原発自体が「要議論」の対象だ。今のところ、これ以外に水素を安定的かつ経済的に大量生産する方法は見当たらない。


しかも、それができたとしても、今度は貯蔵と輸送の壁にぶち当たる。水素は最小原子のために容器をすり抜けたり、金属の中に入り込んで脆化させたりする問題を引き起こす。そのためシーリング(封じ込め)や長期保管が難しい。引火しやすく、爆発性があることは、福一原発の建屋を吹き飛ばした事故でもご覧の通りである。よって、精密な加工や慎重な取り扱いがどうしても不可欠となり、必然的にコストとなって跳ね返ってくる。

今日、貯蔵方法としては、圧縮水素か、極低温の液体水素という形が一般的だ。前者は保存できる量が比較的少なく、いったん圧力(メガパスカル)を規格統一したらインフラ面からも滅多なことで変えられないという自縄自縛になる。後者は走行距離の代償として、ロケット燃料と同じ取扱いになる。これらを流通させるためには、高価な水素運搬車や水素ステーションなどの特殊インフラが必要になる。また、自己体積の千から数万倍の水素を保存できる水素吸蔵合金も実用化されつつあるが、難点は金属なので重量があり、水素の補給時間がかかることだ。これは定置用の保存法としてならともかく、移動体用としては致命的である。ましてや、自動車が「自身を含めてある重さのモノを運ぶ仕事」をする存在である以上、水素の大量輸送の手段としては非効率で不向きだ。



今や「燃料電池車と水素インフラ」が劣った、愚かな選択であることは誰の目にも明らかだ。問題は、政府・経済産業省内に、なぜ「2〜30年度の水素エネルギー社会の本格的到来」を謳い、燃料電池車を広めようとしている勢力がいるのか、という点である。彼らは今後、メーカーに燃料電池車を市場投入させ、予算を投じて水素ステーションを各地に整備しようと目論んでいる。もちろん、市場競争でEVに勝てるはずがなく、それらは早晩、ゴミ処理場に向かうことが確定している。なのに、どうしてこんな馬鹿げた、不合理な計画が進んでいるのだろうか? もしかして、「一度決めたら、絶対にプロジェクトの過ちを認めず、後戻りしない」という霞ヶ関の無謬主義のためか。

私も真相を知らないので、教えてもらいたい立場である。ただ、噂・推測の類いとしては耳にしている。バックにいるのは水素のサプライヤーらしい。EVと燃料電池車の関係は、そのまま電力会社と、燃料屋・鉄屋の関係に当てはまるともいう。燃料屋とは石油・ガス業界のことで、鉄屋とは石炭を大量に扱う鉄鋼業界のことだ。水素の生産能力をもつ彼らとしては、当然、その捌け口がほしいに違いない。どちらの業界もOBが牛耳ったり天下ったりしているので、経産省の官僚は、EVと燃料電池車の両方に「いい顔」をしなければならない立場にあるらしい。


水素は太陽光のような自然エネルギーではないものの、CO2を排出しないクリーンなエネルギーに転換することができる。酸素と反応して、電力と熱と水を発生する。エネルギーを生み出す効率が高く、用途は自動車から発電設備の燃料まで幅広い。水素エネルギーの利用拡大に向けた取り組みが2014年から活発になっていく


民間でも石油大手のJXグループなどがガソリンスタンドに併設する形で水素ステーションの拡大に乗り出した。燃料電池自動車に水素を満タンにするまでの時間はガソリンと同様の3分程度で済み、実用性は電気自動車を上回るとも言われている。車両の価格が下がり、水素ステーションの数が増えていけば、電気自動車よりも早く普及する可能性がある。
posted by РМН at 00:00| Comment(0) | 某掲示板より転載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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