2020年07月01日

接客で飲酒漬けのホスト業務には労災が適用されるのか?

ホストクラブやキャバクラは、客に楽しく酒を飲んでもらう場所。キャストが積極的に酒を飲んで場を盛り上げることもあるだろう。ただ、それが続けば身体を壊しかねないが、接客で飲酒漬けのホスト業務には労災が適用されるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
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【相談】
 ホストをしています。当然、仕事柄大量飲酒の日々。結果、体調を崩し、病院で診てもらったところ、肝硬変一歩手前の状態だったようです。こういう場合、私のようなホストでも労災みたいなものが適用され、何かしらの補償がされるのでしょうか。それともやはり、自業自得と見なされてしまいますか。
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【回答】
 労災保険は、労働者について「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」(業務災害)が起きた場合に給付されます。ホストの業務が店に出勤し、勤務時間や勤務場所等についてクラブの指示に従い、その支配下で接客業務を行ない、報酬を貰うものであるとすれば、ホストは問題なく労働者でしょう。
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 業務災害である「業務上の疾病」について、労働基準法施行規則で個別に列挙されている業務上の疾病の中に、アルコール多量摂取による肝硬変に該当するものはありませんが「その他業務に起因することの明らかな疾病」は業務上の疾病になるので、あなたの場合もこれに該当するかが問題です。
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 過度の飲酒が原因で肝硬変が発症するのは素人判断ですが、明白なことだと思います。しかし、疾病が業務に起因したと認められるためには(1)労働の場に有害因子があること。(2)健康障害を起こしえるほど有害因子に暴露したこと。(3)暴露したことで、発症したことが必要――とされています。
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 仕事柄、お酒を飲んでばかりというのがホストクラブの勤務中の業務として必要で、そうすることを店側から求められていたり、客の要求を拒否できない場合、これらの条件を満たしそうです。
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 ただし、接客中にホスト側の過度な飲酒を禁じている店もあると思います。そのような場合、禁止が建前であって、実際には客と一緒に飲酒して売り上げを伸ばすことが事実上求められていない限りは、自分の嗜好で飲酒したものとして、業務との関連を否定されるでしょう。
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 勤務中に急性アルコール中毒で倒れたような場合は、労災事故になるかもしれません。それでも必要な自制を怠って過度の飲酒により、患った肝硬変が業務上の疾病に当たるかは疑問です。
posted by РМН at 00:00| Comment(0) | 某掲示板より転載3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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