全国で野生のクマによる被害が続出する中、猟友会による“出動拒否”が続く北海道・積丹町の人々は、恐怖に震えて暮らす日々が続いている――。
事の発端は、9月27日。積丹町議会で副議長を務める海田一時氏の自宅近くに、体重284kgのクマが出没したことだった。
「僕は悪くない」副議長の衝撃表明
「このクマの駆除をめぐって、副議長と地元の猟友会がトラブルに発展。関係者によると、現場に到着した猟友会のハンターは副議長と面識がなく、居合わせていた本人に誰なのかを尋ねたところ、副議長が“誰にものを言ってるか”と憤慨したといいます。クマは駆除後の運び出し作業も必要なため、現場には10名ほどのハンターが駆けつけており、安全のためその場を離れるよう副議長に伝えたものの、海田氏はこれを拒否。さらに、“こんなに人数が必要なのか。金もらえるからだろ。俺にそんなことするなら駆除もさせないようにするし、議会で予算も減らすからな。辞めさせてやる”と言い放ったそうです」(地方紙社会部記者、以下同)
トラブルの後、一部のハンターから駆除を拒否する声が上がり、猟友会は町からの出動要請に応じないことを決定した。
10月30日、海田副議長は地元メディアの取材に対し、謝罪の意向があるか尋ねられると「しない」と断言。その理由を問われると、「僕は悪くない」とコメントした。
「副議長の言い分によると、ハンターの人数が多すぎると現場で主張した際、ハンターがクマを檻から“出してみたら”と発言したそうです。“予算を減らす”“辞めさせてやる”といった言葉に関しては、“議会で言っただけ”として、その場での発言は否定していますが……」
副議長が強気な姿勢を貫く中、積丹町ではまた新たなクマの出没が確認されている。目撃されたのは、町内にある美国小学校近くの山の斜面。小学校からわずか約200メートルという場所で、1頭の子グマの姿が確認されたという。
「学校の近くでクマが目撃された場合、以前までは猟友会にパトロールを要請していました。しかし、“出動拒否”が続いているため、今回は町の職員だけでの見回りに。猟友会は、副議長の謝罪と駆除現場への第三者の立ち入り禁止を求めており、町民からは一刻も早い事態の収束を願う声が殺到しています」
「町民の命より自分のプライド」批判殺到
そして、海田氏が「謝罪しない」と断言した30日の午後7時ごろ。またしても美国小学校の前で、クマの目撃情報が。警察の発表では、「校門前にクマ2頭が居座っている」との通報があったという。事態を受け、美国小学校および近くの美国中学校は、31日を休校にする対応をとった。
「積丹町は改めて猟友会に出動を要請しましたが、猟友会はこれを拒否。目撃されたクマは体長1mほどとされていますが、学校に子どもを通わせている保護者はもちろん、近隣住民からも混乱の声が上がっています」
海田副議長の振る舞いによって引き起こされた、猟友会の“出動拒否”。世間からは、
《町民の命より自分のプライドが大事なのか》
《「僕は悪くない」子供かよ。これで町民に被害が出たらお前のせいだぞ》
《あんたの代わりはいくらでもいるがハンターの代わりはいない》
《謝罪してさっさと辞めるべし》
《今後のクマへの対応は副議長1人に任せましょう》
など、その姿勢に批判の声が多数寄せられている。
副議長と猟友会によるやりとりの詳細がどうあっても、町民たちが危険に晒されて震える日々を送っていることは確か。何より守るべきものを、どうか見失わないように……。